先日、打合せの合間に
「スタジオ・ムンバイ展 PRAXIS」
を訪れました。
現代インドを代表する建築家
ビジョイ・ジェイン氏率いるスタジオ・ムンバイは
インド各地より集まった約120名もの有能な職人と共に
確かな思想を建築作品へと昇華させています。
展覧会は
スタジオ・ムンバイには遠く及びませんが
様々なものづくりに関わる人々と共に
すまいづくりを行う私たちにとって
とても示唆に富むものでした。
以下に氏の言葉を紹介したいと思います。
“Praxisとは
理論や知識や技能を実演や実行に移すこと
体現すること、あるいは実現することである。
場合によっては、考えを実行、応用、行使、実現
あるいは実施する行為を指す”
建築家の仕事には、あらゆるものが含まれる。
具体的なものもあれば、漠然としたものも理論的なものもある。
つまり、人間の存在に関わることなら基本的に何でも含まれる。
‘Praxis’というものをこのように存在論的に解釈すると
スタジオ・ムンバイの仕事がなぜ
反復作業によって成り立っているか
なぜ案を検討するために
大型モックアップやスケッチや図面を作成し
素材のスタディを重ねるのかが見えてくる。
それはすなわち独自の思想を練り上げ
自発的に組織を形成していくためなのだ。
プロジェクトに取り組むあいだは
場所を念入りに検討し
そこにある環境や文化、人びとが
身も心も捧げてきたことに目を向けるようにしている。
なぜならそこには
限られた資源を相手に
人間が創意工夫を凝らして編み出した
建設技術と素材があるからだ。
ビジョイ・ジェイン
Bijoy Jain