27 November 2010

From the Hotel


今回は以前お話しした
「とても貴重でユニークな部材」について
ご紹介したいと思います。

多くの人に名が知られ
デニッシュ・デザインのアイコンともいえる
Arne Jacobsen。

簡素さと純粋さを極限にまで追及した彼は
代表作の一つである SAS Royal Hotel において
トータル・デザインを完成させています。

ここの所、話題にしている
新しい試みの中で用いた部材とは
通称 AJ Handle と呼ばれているレバーハンドルで
当時、実際にホテルで使われていたオリジナルです。

上質なホテルの部屋に入る時に得る
軽い高揚感や
オリジナルのみが持つ
歴史や存在感を
演出出来ればと思い、採用しています_。

21 November 2010

Dovetail Keys

以前お伝えしました、幾つかの新しい試みの内
一つの準備がようやく整いつつあります。

近く正式にご紹介出来るかと思いますが
今回はその試みに含まれている
「George Nakashima をスタディする」
というテーマについてお話します。

George Nakashima は木と対話しながら向き合い
家具を製作し続けたアーティストです。

彼はブラック・ウォルナットを好んで用いた事でも知られ
時を重ねる毎に美しさを増す色合い
優美な濃淡を描く木目
滑らかな肌ざわり
といった、この材の持つ美質を作品の中で表現しています。

私たちは彼の素材と真摯に向き合う姿勢を
これからの「作品」づくりに反映させたいと考え
新しい試みに向けて、その製作プロセスをなぞる事にしました。

その道程は決して平坦ではなく
完了する迄に多くの精力を必要としましたが
すまいのつくり手として私たちが成長して行く上で
数多くの示唆を与えてくれ、実り多きものとなりました。